繰り返しいうと、2000年には60万店舗の小売業が廃業を余儀なくされると、中小企業庁では予測している。
物流からこの数字を見ると、60万軒の配送先を失うことになり、商流は60万軒の得意先を失う。
これに伴ってなにが変わるのか。
それは、いうまでもなく流通機構である。
この流れのなかで卸売業は淘汰されながらも、自身の業態の見直しを図り、次代への存続意義と機能を早急に創出するか。
それとも小売業とともに廃業の道を辿るのか。
いま、重大なターニングポイント(岐路)に立っている。
小売業はその特性から、客に対する物流サービスを自社でしているという意識をこれまでまったく持つ必要がなかった。
物流サービスは、小売業には卸売業が、卸売業には製造販売業がというように、常に川上側のサービス機能である。
だから、小売業には物流コストについての意識もなく、まして卸売業がどのくらいの物流コストをかけているかについても、把握できるはずがなかった。
この一連の商習慣は、小売業を巻き込んだ共同物流への取り組みが困難で、時間のかかる要因となる。
小売業が前向きに共同物流に取り組むためには、まず物流コストについて十分な理解が必要となるからである。
ただ、小売業には物流意識が希薄だから共同物流が難しくなるかといえば、そうではない。
共同物流のメリットはなにも物流コストを削減するだけではなく、つまり川上にも、川中にもメリットをもたらすと共に、小売業にとってもその恩恵を十分に享受できる仕組みとなっている。
小売業主体の共同物流をいうと、中小食品スーパー7社が連携して共同物流センターを稼働させている事例がある(アインツ協同組合・埼玉県東松山市)。
大手量販店の進出に対抗するために体力をつけるのがその目的だが、地場のスーパーがコアになって昨日までは競争相手だった企業とも、これまでのしがらみやこだわりを捨て連携している。
というよりも、大手量販店に対抗するためには競合といえども組まざるを得なかった、といったほうが正解だろう。
また、連携のうえで共同物流センターをつくったほうが、大手量販店並みとまではいかなくても、取引先に対してそれなりに発言力も高まるという狙いもあった。
まさにスケールメリットの追求であり、数の論理である。
共同物流は、小売業が利益を追求していくプロセスでその威力を発揮する。
小売業が利益をあげる最大の施策は、仕入れコストと店舗運営経費の圧縮である。
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